大判例

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大阪高等裁判所 昭和24年(を)2177号 判決 1949年11月21日

被告人

天下一こと

金点植

主文

原判決を破棄する。

本件を大阪地方裁判所堺支部に差し戻す。

理由

弁護人瀨戸藤太郞の控訴趣意第一点について。

原判決挙示の証拠中赤木雅二の証言は岡本松下両名より聞知したことを内容とする供述でありいわゆる傳聞証言に属し岡本、松下に関し刑事訴訟法第三百二十四條第二項により準用される同法第三百二十一條第一項第三号所定事由のない本件ではこれを証拠として被告人金点植断罪の資料に供し得ない筋合である。されば原審としては須らく右盜難被害届書の外岡本松下の供述が措信し得べきものであるならばこれらによつて被告人の罪責の有無を判定すべきであつて原判決がこの外に右違法証拠を綜合して原判示第三事実を認定したものと解すべきこと敍上のごとくなる以上、結局違法証拠により事実を認定した違法あるに帰し右違法は判決に影響を及ぼすこと明らかなりといわざるを得ない。

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